がんと生活習慣病の検査サイト

PET検査費用について(がん検査と基礎知識)

PET検査の費用は?

PET検査の費用

PET検査の費用の相場は、およそ10万円前後です。
健康診断としてPET検査を受ける場合は、人間ドック同様に自由診療とみなされ全額自己負担になりますが、がんや心疾患など保険適用の疾病が見つかった場合、また治療の一環として検査を受ける時は保険適用が認められます。
ただし適用されるには条件がありますので、詳しくは主治医や医療機関にご確認ください。

PET検査の費用

がん検診なら自費で10万円前後

PET検査の費用

がんを発症していない方が「がん検診」として受ける場合は、保険適用外の自由診療で全額自己負担となります。検査費用の相場は健診センターや検査施設、病院、地域などによって異なりますが、ひととおり全身を調べるスタンダードなPET検査のコースで1人1回あたり9~13万円程度、多くは10万円前後となることが多いようです。オプションで、当日検査後医師からの説明を受けたり、CTやMRIなどを組み合わせてさらに詳しく調べるコースなどは、費用がもう少し高額になります。
ただし、健診の結果にがんなどの重大な疾病が発見された場合は、次項のように健康保険が適用される可能性があります。

お支払い方法は検査機関によって異なりますが、分割払いやカード決済などが利用できることもあります。くわしくは各検査機関にお問い合わせください。

すでにがんと診断された方のPET検査費用は保険適用に

PET検査の費用

一方、すでに「がん」と診断された方や、下記にあてはまる場合にも健康保険が適用されます。

臨床病歴、身体所見、PET/CT以外の画像診断所見、腫瘍マーカー、臨床的経過観察などから、臨床的に高い蓋然性(※)を認めた主治医の診断で悪性腫瘍と(確定)診断を診療情報提供書に記述すれば適用となります

※蓋然性…高い見込み、高い可能性

具体的なケースでは
・がん治療を受けている方で抗がん剤の治療効果判定としてPET検査を受ける場合
・過去にがんを患い再発を疑われる方が、他の検査、画像診断により病期診断、転移・再発の診断が確定できない場合
・がんの病期(ステージ)診断や切除範囲を確定させるための検査をする場合
・その他、主治医が他検査結果をふまえて総合的にPET検査を必要と判断した場合
いずれの場合も条件があり、上記の通り主治医による診断と記述が必要です。保険適用を希望される場合は、検査を受ける前にまずは主治医に相談しましょう。

さらに、健康な方が健康診断目的で受けたPET検査で、がんなどの重大な疾病が見つかり、継続して治療を行なう場合は保険適用となります。ですから、自由診療として受けた場合もPET検査費用の領収証は結果が出るまで大切に保管しておきましょう
ただし、保険適用されるかどうかはケースによって判断が異なりますので、主治医にご相談ください。

てんかんや心疾患のPET検査費用にも保険適用

PETは脳や心臓の血管を検査にも有効で、がん以外にもてんかんや心疾患の検査費用も保険適用となります。

PET検査で、健康保険が適用されないケース

重大な疾病に関するPET検査は健康保険適用となりますが、ただし、がんの疑いがあっても、以下のケースでは健康保険が適用されません。事前にご確認ください。

  • 悪性腫瘍か良性腫瘍の鑑別のためのPET検査
    (疑い症例での診断目的のPET検査)
  • 同じ月に、同じ病名による複数回のPET検査
  • 同じ月に、ガリウムシンチグラフィを受けている方のPET検査
  • CT、MRI、エコーなど他の画像診断を実施していない方のPET検査
  • スクリーニング目的・健康診断目的のPET検査
  • 不明熱の鑑別診断のPET検査

実際の症例によって異なるため、健康保険が適用できるかどうかは、主治医や医療機関にご確認ください。

自由診療で受ける総合がん検診 永仁会シーズクリニック

よくある質問

Q .PET検査は医療費控除の対象になりますか?

PETも医療費控除できるケースがあると聞いたのですが?

A.PETは、自費診療の検査なら医療費控除の対象外に、保険適用の検査なら控除の対象になります。

残念ながら人間ドックや健康診断と同じように健康な方がスクリーニング目的で行なう場合は、PET検査は医療費控除の対象にはなりません
しかし、PETでがん検診をしたら重大な疾病が発見されて、さらに治療を受けた場合は、PET検査費用も医療費控除の対象となることがあります。
また、すでにがんと診断された方が、健康保険適用でPET検査を受ける場合も医療費控除を申請することができます。

Q .PET検査が健康保険や医療費控除の対象になる「重大な疾病」とは?

PET検査や人間ドックが健康保険や医療費控除の対象となる例外的なケースに、「重大な疾病が見つかり、引き続きその疾病の治療を行なった場合」とされていますが、そこでいう「重大な疾病」とはどんな病気のことでしょうか?

A、がん全般、心疾患、脳血管障害を含む、以下の疾病が該当します。

・がん全般
・心疾患
・脳血管障害

・高血圧※
・脂質異常症(高脂血症)※
・糖尿病※

※ただし、高血圧、脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病は「重大な疾病」と認めるか否かの基準は判断が分かれるため、もし疾病が見つかったら担当医に相談の上、確定申告をする前に税務署へご確認ください。

Q .高額療養費制度で治療費を最低限に抑えることができるので、医療費の心配はいりませんか?

8万1千円以上は医療費を支払う必要がないと聞いたのですが…?

A、先進医療費や差額ベッド代や交通費、入院準備経費、食費などは高額療養費の対象外です。もし加入している民間の保険会社があるなら、カバーされるのか確認してみましょう。

高額医療制度でまかなわれない、先進医療費、差額ベッド代や個室代、交通費、お見舞いなどにかかる諸経費、着替えや入院準備に必要なものは、積み重なると大きな金額になります。さらに働けない時期に毎月8万1千円までは自己負担となるのですから、家計にダメージはあります。これらは民間の保険会社で支払われる場合がありますので、病気やケガになったら、すでに加入している保険会社があれば、問い合わせてみましょう。

PET検査の費用をサポートする公的制度

健康保険が適用され、1~3割の負担であっても、やはり高額になってしまうPET検査。例えば10万円の検査が健康保険適用になった場合でも、3万円は自分で支払う必要があります(3割負担)。そのような場合、PET検査費用を補助してくれる公的制度がいくつかあるので、上手に利用してみましょう。
ただし利用できる条件があるので、事前に読んでおきましょう。

健康保険が適用される場合に有効
・健康保険制度
・医療費控除
・高額療養費制度
民間の保険に加入している場合に有効
【番外編】民間のがん保険

健康保険(社会保険)

保険証をお持ちであれば、どなたでも健康保険を利用できます。

健康保険とは

健康保険は毎月定額の保険料を支払うかわりに、病院など(医療機関)で診察や治療を受けた場合の費用(医療費)を、本人が一部だけ支払って、残りは健康保険でカバーされるという仕組みです。健康保険に加入している本人とその扶養家族が対象になります。

医療費控除

医療費控除とは1年間に10万円以上の医療費を支払った際、税務署に確定申告を行なうことにより、支払った所得税の一部が還付される制度です。

医療費控除

家計をともにする家族(給与所得者本人と、生計をともにする配偶者やその他の親族)の医療費を、1年(1月1日~12月31日)の間に10万円以上支払った場合に、超えた金額をその年の所得から差し引くことができ、税金が軽減されます。
申請には全ての領収証を保管しておく必要があり、交通費などを記録しておくことも有効です。日頃から医療機関の領収証はまとめてとっておくようにしましょう。

高額療養費制度

1ヵ月に8万円を超える医療費がかかった場合に、申請すれば超えた分の金額を返還してくれる制度です。

高額療養費制度

がん闘病ではいくつもの治療法を試しながら、時間をかけて向き合う必要があるため、検査や治療、入院、通院などの費用がかさんで高額になってしまいます。その医療費をサポートしてくれる「高額療養費制度」は、1ヵ月(月初~月末)に80,100円以上の医療費がかかった場合、申請すれば戻ってくる制度です。保険適用となる治療の費用であれば全て対象になります。申請の条件などがありますので、治療や検査を受ける前に一読しておきましょう。

【番外編】民間のがん保険

公的制度ではありませんが、民間の保険会社が販売しているがん保険などのプランで費用をまかなうこともできます。プランによって異なりますが、健康保険適用でない場合にも、保障を受けられるケースが多いようです。

民間のがん保険

民間の保険会社やがん保険などの特約に、すでに加入しているなら、あるいはこれから加入するなら、保険を有効に活用して医療費を抑えることができます。
PET検査は、加入している保険会社に指定された提携施設で検査を受ける場合に限り、割引価格で受診できる場合があります。

がん保険は「がんと診断されたら○万円の給付金」などの一時金が知られていますが、健康な状態で検診を受ける場合にはPET検査費用を給付してくれることはほとんどありません。契約内容によって掛け金や保障範囲、給付される金額は異なるので、検討している方は確認してみましょう。

注意したいのは、加入直後の90日間(または3ヵ月間)は免責期間があり、その間にがんと診断された場合は、がんの保障を受けることができないということです。「がんが心配」「特約を利用してPET検査を受けたい」という方は、早めに加入しておく必要があります。
しかしながら、体に異変がある場合は、保険の免責期間に関わらず、まずは早めに医療機関を受診することをおすすめします。

関連記事

PET検査の健康保険適用範囲
日本医科大学 健診医療センター:福嶋 善光

この記事の監修ドクター

日本医科大学 健診医療センター
(社)日本医学放射線学会 放射線科専門医:福嶋 善光

【略歴】
1997年 日本医科大学 卒業
【専門分野】
画像診断(核医学)

もっと読む

関連記事

がん患者さんの健康保険
PET検査の健康保険適用範囲
お得な割引制度
PET検査の流れについて