がん検査としてよく知られているのは「MRI」や「CT」ですが、これはどちらも部位を特定してから調べる方法。
どの部位にがんができるのかはあらかじめわかることではないため、以前にMRIやCTでがん検査を行ったことがある人なら、特定の部位だけでなく全身くまなく検査を受けて安心したいと感じたことがあるのではないでしょうか？

そこでおすすめしたいのがPET検査です。
これはがんの全身検査ができるという点でとても優れた方法です。
MRIやCTが「かたち」から異常を見つけるのに対し、PETは細胞の「活動」の様子から異常を見つけだします。
またPETの検査方法は薬剤（FDG）を注射した後、その集まり具合をカメラで映し出すだけ。
撮影は一度で終わり、検査の痛みもありません。

PET検査は一度の検査で多くの種類のがんを発見できるため「がんの早期発見」に役立つと期待される一方、PETでは見つけることのできない種類のがんが存在することもわかっています。
そのため「がん検診にPETを用いる場合は他の検査を併用する『総合がん検診』が望ましい」（がん検診ガイドライン（日本核医学会PET 核医学分科会 編）より）とされています。

つまり、より精度の高い診断結果を得るためには、PETとほかの検査（CT、MRI、超音波、生化学など）を併用することが必要というわけなのです。
このことを受け、最近ではPETとCTを同時に撮影できるPET-CTが普及しつつあります。PET-CTを用いると、CTによる「かたち」の画像とPETによる「活動」の画像を合成することで診断能力が向上するのはもちろん、撮影時間が短縮されるという利点もあるのです。

そのほか、PET検査施設を選ぶときのポイントとしては、CTやMRIなどの画像検査以外にも血液検査項目などの豊富な生化学検査メニューがあるかどうか。
また、放射線科医以外に内科医も常駐している検査施設なら、検査項目とレポートがより細かく丁寧であるケースが多いので、そのあたりもチェックしながら検査施設を選ぶとよいでしょう。